PandocとMarkdownで快適執筆環境を作る
文書を書く際、MS Wordで体裁を整えて提出 or .docx
を直接提出する事が多いと思います。しかし実際に書いてみると、
- Wordが重い
- 直接書くと体裁が崩れがち
- 白背景嫌い
などの問題が発生しました。そこで、Markdownで執筆して.docx形式にエクスポートする環境を整えました。それに関してのメモです。
この手の話は既出ネタなので、他の方の記事も読んでみてください。
Markdownって何?
本来はHTML文書を簡単に作るために開発された言語です。Markdown単体で読んでもそこそこ読みやすく、また書きやすいです。この機会に覚えてみるのもいいと思います。
詳しくはMarkdown - Wikipediaなどを参照。
使用するソフトウェア
Pandoc
Markdown→.docxに限らず、(色々な入力形式)→(色々な出力形式)への変換を実現するソフトウェア(雑)。
Bear(などのMarkdownエディタ)
軽くて目の疲れない物を選びましょう。
ソフト自体の説明は別記事におまかせします。Pandocについては多様なフォーマットに対応!ドキュメント変換ツールPandocを知ろう - Qiitaを読めば分かります(記事とても良かったです。ありがとうございました)。
MS Word
レイアウト確認用。
環境構築
ソフトをインストールする
環境と好みに合わせてどうぞ。MarkdownエディタにはBearやVSCodeなどがあります。
Pandocの出力スタイルを作る
PandocがMarkdownを.docxに変換するときに使うスタイルを設定します。
ドキュメント変換ツールPandoc:ユーザーズガイドを熟読して分かったマニアックな使い方 - Qiitaの「ODT/docxの参照用スタイルファイル」項を参照。
ここで指定したファイルのスタイルが変換時に使用されます。
Wordの「スタイル」について
フォント、フォントサイズ、文字色などの設定をまとめたものが「スタイル」です。文書中で同じスタイルを使った文字は全て同じ書式設定になります(それはそう)。
Markdownファイルが
# 見出しA ## 見出しA-a 本文a # 見出しB ## 見出しB-b 本文b
のようになっていた場合、「見出しA&見出しB」「見出しA-a&見出しB-b」「本文a&本文b」にそれぞれ同じスタイルが適用されます。文の書式を直接いじるのではなく、スタイルをいじることで、書式の揃った見やすい文書を作ることができます。
一番最初に書いた「体裁が崩れがち」な原因の多くは「スタイルを使いこなせていない」のが原因なのかな、と勝手に想像しています(ぼくもあまりわかってない)。一度設定してPandocに任せれば、スタイル設定を自動でやってくれます。
Markdownで書く
軽量エディタはいいぞ。黒背景はいいぞ。
.docxに変換する
Terminal/コマンドプロンプトを開き、Markdownファイルのあるディレクトリ上で
pandoc -f markdown -t docx -o (出力ファイル名) (入力ファイル名)
を実行します。詳しいコマンドはPandoc ユーザーズガイド 日本語版 - Japanese Pandoc User’s Associationを参照。
このコマンドは”From markdown To docx”みたいな意味になります。
出来上がったもの
完成直前のこの記事をPandocで変換してPDF化したものがこちらになります。
まとめ
Word直書きに戻れる気がしません。
他にも色々な活用方法があります。Pandocを使いこなしていきましょう。おわり。